特集
奈良の木をもっと暮らしに
2021年2月25日
一人ひとりの「木づかい」が
森林を守ることにつながる
奈良の木を使うことは、私たちの心やからだに良いだけではありません。
私たちの住んでいる奈良の森林にも良い効果をもたらします。
奈良の木を使うことで、森林を育てるお金が山に還元され、枝打ちや間伐などが進み、豊かな森林を守り育てることにつながります。
また、「植える、育てる、収穫する、使う」という未来につながる森林の持続的なサイクルが保たれ、地球温暖化防止や防災など森林が持つ多くの機能が発揮されます。
一人ひとりが少しずつでも奈良の木を使うことで変化が生まれます。
さあ、暮らしに「奈良の木」を取り入れてみませんか。
「奈良の木」を知ろう!
県の面積の約77%を森林が占める奈良県。
奈良の林業の歴史は古く、約500年前(室町時代末期)から植林が行われており、畿内の城郭や社寺、仏閣に奈良の木が使われてきました。
良質な木を育てるには、年月だけでなく、手間暇も必要不可欠。育て方は地域によって異なりますが、特に吉野林業地域(主に川上村、東吉野村、黒滝村)では、独自の育成方法によって、吉野スギや吉野ヒノキといった良質な木材を育ててきました。
今でも奈良県で育まれた木材は全国各地から買い手がつくほど人気があるのです。
奈良の木の特長とは?
奈良の木は強さと美しさを兼ね備えた、日本屈指の良質な木材です。
❶優れた強度性能
安心・安全な木の家を建てる上で、木材の強度は大切なポイント。
木材の強度の指標となる「ヤング係数」をみると、奈良県産材(スギ・ヒノキ)の平均値は全国平均値を上回っており、優れた強度を有しているといえます。
(例)スギ ヤング係数
奈良県産材平均値[E90]> 全国平均[E70]
❷節が少なく緻密な年輪
奈良の木は、枝の跡である節が少なく、年輪が均一で細かいことが特長。
同心円で緻密な美しい年輪は、何百年もの間受け継がれてきた育成方法によって、つくりあげられたものです。
❸美しい色合い
奈良の木は美しい色合いを楽しむことができるのも魅力の一つ。
スギの心材は、ほかの地域のスギには見られにくい赤み混じりの上品な色合いで、古くから愛され、高級和室の内装などにも使われてきました。また、ヒノキは繊細で品のある淡いピンク色が絶妙に映えます。
奈良の木の健康効果
奈良県では、奈良の木の健康効果を科学的に検証するため、奈良県産のスギとヒノキを材料に実験を行いました。
❶菌やカビが増えにくい
県産のスギ材・ヒノキ材の精油を、寒天培地に添加し、大腸菌やカビを接種して生育状況を観察したところ、スギ材・ヒノキ材の精油添加によって、大腸菌の増殖やカビの生育を抑制。菌やカビが増えにくいため、アレルギー疾患の抑制にも。
❷室内の湿度を自然に調節
奈良県産のスギ板・ヒノキ板を高湿度環境(80%)と低湿度環境(40%)でそれぞれ2日間置き、その間、板に含まれる水分量を測定したところ、県産のスギ材・ヒノキ材は、高湿度環境で湿気を吸い込み、低湿度環境で湿気をはき出しました。自然に湿気を調節してくれるので、いつも部屋が快適に。
ほかにもこんな効果が!
●ウイルスの感染力が低下
(※インフルエンザウイルスA型で検証)
●ダニが近づかない
●においを減らす(消臭効果)
●熱を伝えにくい
●紫外線の軽減 など
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奈良の木についてもっと詳しい情報を知りたい方は ポータルサイト「奈良の木のこと」をチェック!