特集
自然とあそぶ 自然でモノづくり 「身近な自然で遊ぼう、表現しよう」
2021年11月9日
\五感を育もう/
身近にある草花や野菜、水、土で遊んだり、作ったり、描いたり。
思わぬ発見や偶然性が生み出すアート作品ができあがるかも。
親子でアートを楽しむ活動『もりのいりぐち』主宰の森野ゆかりさんに、
自然を使った遊び方やモノづくりを教えてもらいました。
《教えてくれたのは》
デザイナー
森野 ゆかりさん
1977年生まれ、奈良市在住。息子(小4)、娘(小2)の母。『博報堂アイ・スタジオ』のWEBデザイナーの経歴を持つ、フリーデザイナー。小学校の頃から絵を描くのが好きで、大人になって旅先などでスケッチブック片手に風景を描いていた。所属していた子育てサークルで、子どもたちの似顔絵を描いて名札に貼ったことをきっかけに、似顔絵を描く『おかおえや』としてイベントに出店。親子で絵や工作を親しみ楽しめる活動『もりのいりぐち』主宰。
自然遊びと子ども
砂遊びや虫とのふれあい。石や実をひろい集めたり、草の上で寝転がったり、泥に足を突っ込んだり。子どもは自然と一緒にたくさん遊びます。遊びの中で季節を感じ、美しさにひたり、創意工夫の楽しみを知る。そこでは、勉強で得た知識とはまたちがったバランス感覚をやしなう場となります。大人も子どもも心地いい、そんな自然の中での遊びはきっと想像していたよりも楽しい出来事が起こります。
大人からのアドバイス
子どもが遊んでいたら大人はそっと見守ります。心のままに作り出した遊びや作品こそが、彼らにとって最上だからです。それは間違いなく素晴らしいものです。 ですが、「こうしてみたら?」を伝えたくなるのも親心。そんなときは、子どもの顔を見てみます。手をとめたり他のことをしようとしたときは、声をかけてみるタイミング。気が付いたことをほんの少し伝えるだけで、遊びや作品がぐっと良くなることがあるのです。セロハンテープの付け方、色の組み合わせ、遊びのポイント。そんなところから生まれた会話も良い思い出です。
遊びのたねで子どもを巻き込む
山や川に来たからさあ遊ぼう!といっても急に動き始めるのは難しいもの。慣れてくると自分で遊びを見つけられるようになりますが、初めは少し誘導してあげるのも自然遊びのコツ。大人が先に走ってみたり、石の上を歩いてみたり、葉っぱを手に取ってみたり。そんな小さなことから、年齢に応じた様々な遊びに発展していきます。予定とは全然ちがう方向に進むことはしばしば。結果オーライで楽しんじゃいましょう。
砂山の宝さがし
拾った石や小枝、貝殻を、公園の砂場や大きめの鉢植えなどに埋めて。誰が一番たくさん見つけられるか、よーいどん!石を見つけたら1点、レアな貝殻は10点!宝物に点数をつけておくと盛り上がりますよ。
アリのかんさつ
インターネットなどで買った観察キットでそうっとアリをつかまえて。お好みのエサは何かな?巣を作ったりおやつを持ち帰るようすを見てみると、アリさんも素敵な芸術家って気づくかも。
あさりのチョウチョ
夕ご飯のあさりの貝殻を洗って乾かして。クレヨンなどで模様を描いてモールで触覚を付ければチョウチョの出来上がり。標本のように並べて飾っても素敵です。
おさんぽビンゴ
いつものおさんぽも、自然に目を向けるためのちょっとした工夫でぐんと楽しく。小さなダンゴムシはいたかな?落ち葉をふんだ時のかわいた音、鳥の鳴き声がきこえたかな?
観察カード
幼児期には園で育てたシシトウを。去年は公園の植物を。今年は青虫から育てたモンシロチョウを。子どもの年齢ごとにテーマを決めて、楽しく観察していきます。大きさは?色は?においは?といった表現内容も年齢によって変化し、成長が感じられます。
氷あそび
氷も立派な遊び道具。絵具を水に入れて凍らせれば、つめたーい水彩画材になります。植物を閉じ込めればキラキラ光る標本に。手に持って溶ける様子を感じたり、画用紙の上で転がしたりと、ひんやりきれいで心地いい特別なあそびです。
ネイチャーパズル
画用紙に書いた線の中に貝殻や小石を敷き詰めていくお手軽パズル。「これはあそこで拾ったものだね!」「これは目と口だよ」と楽しい会話もはずみます。
スワッグ
ベランダやお庭のグリーンをあれこれ摘み取りまとめます。難しいことは考えないで輪ゴムでとめたら出来上がり。ペーパーナプキンや毛糸でアレンジをするのもオススメ。お部屋にぶら下げておくと、ナチュラルで思い出深いアクセントになります。
草花ステンドグラス
段ボールの真ん中を切り抜いたら立派な額に早変わり。段ボールにラップを敷いて、その上に好きなお花、葉っぱを並べて、ラップ、段ボールの順に糊付けしていきます。曼荼羅模様にしてみたり、顔や動物、車の絵柄にしても。窓辺にぶら下げると光に透けてとってもきれい。
センサリーバック
ジッパー袋に貝殻や石、葉っぱや小枝をいれたら、お好みの量の洗濯糊をそそぎます。指でつついたり、手のひらでゆっくり動かしてみたり。袋の中で色やアイテムが混ざり合うのはとってもきれい。泥も入れると中身が見えなくなって宝探しの気分で楽しめます。乳幼児さんには液が漏れないように、特にしっかりと閉じてください。
花寒天
通常どおりに寒天をつくる要領で液を作ります。少し冷めたら子どもの出番。用意しておいたお花や葉っぱでデコレーション。初めはきれいに閉じ込められたお花を観賞。型から出してゼリーのような断面を楽しんだら、手でぐにゅー。
ならべてかんさつ
大好きなものをならべてみたら、もっと好きになります。大きさ順?色の順?さわり心地が好きな順?思わぬこだわりポイントが垣間見えるかも。じっくり比べて、どんなものかを調べてみたら博士気分。
野菜人形
とれたての野菜も子どもにとっては最高の遊びの道具。胴体となる野菜に、針金を使って両手両足をさし、目のシールを付けたら人形に。調子が出てきたら帽子や口を付けたり、仲間を増やしてみても。楽しく遊んだあとには、きれいに洗って、親子で料理にチャレンジしてみよう。
枝工作
子ども達が大好きな枝とモールを用意して、何ができそうかな?とイメージを膨らませます。船かな?弓矢かな?家かな?形が思いついたらモールでぐるぐる。うまくできなくても大丈夫。いろんなものを作ってみよう。
自然のもので色遊び
おかしの箱に画用紙をはりつけて、絵具をつけたドングリやまつぼっくりをころころ。上に下に、左に右に。いろんな色で転がせば、偶然ですてきな模様が浮かび上がります。筆の代わりに使ってみても。
《アートコミュニティ『もりのいりぐち』》
学校が臨時休業だった2020年3月~5月の間に、小学校低学年に向けて、野外やオンラインでアートを楽しむ機会を作ったことをきっかけに活動を開始。現在はアートを”いりぐち”としたお母さんネットワークによる、地域コミュニティの形づくりを目指して活動中。 [活動日]月に2回程度(不定期)
《子どもアトリエ『もりのいりぐち』》
学校に行きにくさを感じている小中学生を対象にした小さなアート教室。築90年の古民家を建築士がリノベーションしたゆったりとした空間で制作を楽しみます。
[活動日]平日の午前中・月に2回程度
(不定期)
[会 場]アーティスト・イン・レジデンス
「SPACE DEPARTMENT」
奈良市平松1丁目27-12
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(近鉄尼ヶ辻駅徒歩10分)
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