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特集

【玉井式子育て教室I】-Vol.03- 短所は長所?大人の捉え方で子どもは変わる

2021年7月23日

【玉井式子育て教室I】-Vol.03- 短所は長所?大人の捉え方で子どもは変わる

これからの子どもたちは、これまでよりも世界に目を向けなければいけない時代を生きることになります。今のままの教育で良いのか、変わっていかなければいけない点は何なのか。グローバル時代を生きる子どもたちの成長のために、どのような価値観が必要なのでしょうか。
何のために教育するのかという、教育の価値観をしっかり持って、「親が笑顔でいること」「子どもへ何よりも愛していると伝えること」そして、「花(成果)を咲かせることだけでなく、丈夫な根っこ(土台)を育ててあげること」を大事にする。そう言うのは、「世界に負けない子に育てる」教育を提唱し、独自の能力育成教材を開発し続けてきた玉井満代先生。

玉井先生の考える子育てと教育について、48回にわたり、さまざまな視点でお届けします。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

《教えてくれたのは》
(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ
代表取締役 玉井満代さん

京都市生まれ、ICT教材クリエイター・脚本・演出家。20年にわたる全国数百の学習塾での指導経験を生かして、学校、またインド、ベトナム、シンガポール等で続々と導入されている「玉井式 国語的算数教室®」「玉井式 図形の極®」など、パソコン・タブレットを使用して学習する教材を全国展開。2021年現在、日本全国で24,000人が学習しており、有名私立小学校・大手学習塾・幼稚園・保育園及び学童などで広く活用されている。また、インド著書には「世界に出ても負けない子に育てる」(青春出版社)他。国内外での年間講演回数は120回(2018年度)を超える。洛南高等学校附属小学校で「玉井式 図形の極®」が授業カリキュラムとして取り組まれている。また、2021年度より、奈良育英小学校(現 奈良育英グローバル小学校)の副校長に就任。

>> TAMAISHIKIオフィシャルサイト
>> 奈良育英グローバル小学校

 

– 編集部 −
第3回目のメインテーマは「親の捉え方」「自分の子どもを守りきる覚悟」。親の決めつけで、子どもの良さや可能性をつぶすことも。
子どもの良さを伸ばすために、どのような心がけをするのか。
また、親としての「覚悟」を持つこと、そして子どもを守るために大切なことを玉井先生に伺いました。

短所を長所に置き換える
〜決めつけない子育て〜

ついつい子どもの長所よりも短所を見てしまう。そんな経験はありませんか?
でも、短所と思うところは、すべて長所に言い変えることができるのです。

【短所を長所に置き換える】
・落ち着きがない → 元気・活発
・怒りっぽい → 自己主張できる
・頑固・言うことを聞かない → 自分の意思を持っている
・おっちょこちょい・飽きっぽい → 好奇心が旺盛
・うるさい → 表現力がある
・臆病・弱虫 → 空気を読む力がある・慎重
・大人しい・意見を言わない → 感受性豊か
・しつこい → 興味があることに粘り強い・諦めない

例えば、授業中に文句を言ってくる子に、「すごい!君は自己主張ができてかっこいいね。でも、玉井先生はこう思うから、それについては後で話そう」と言います。決して「授業中なんだから黙りなさい!」「先生に向かって何を言ってるの!」なんてことは言いません。

子どもは一人の人格者で自尊心もあります。 「先生だから言うことを聞け」といった言葉しか出てこなくなったときは、先生という肩書きでしか、その子を黙らせられないということじゃないですか。私はそんな風に指導をしたくはありません。

言うことを聞かないときは、「自分の意思を持っているんだね」と思えばいいし、飽きっぽいときは「好奇心が旺盛」と見てあげたり。「しつこく何回も言ってくるな」ではなく、「ほんとに粘り強いね。今後はその粘り強さが社会で絶対生きるから、その性格は大事にしなさいね」と、まず認めることと、ユーモアで返すことを心がけています。

子どもで悪い子は多分いないと思っています。要は大人自身にとって“やりやすい”か“やりにくいか”で良い子か悪い子かを決めてしまうと、自分の言うことを聞く子が良い子になりますよね。学校の先生からしたら、先生の言うとおり素直にしてくれる子が「良い子」で、言うことを聞かずやりたくないという態度の子は「悪い子」になる。しかし、やりたくないから「やりたくない」と自己表現しているわけです。結構、大人が自分基準になりすぎていることがあります。これらも、短所を長所に置き換えることで、子どもの良さや可能性が広がります

“今は”と捉えて、
こういう子だと決めつけないこと

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

「親の言うことを聞かないんです」と言う親御さんがいるのですが、親の言うことを聞いていたら100%良い子になるのでしょうか
親の言うことが、いつでも本当に正しいのでしょうか。聞けば良い子で優秀になるのでしょうか。

「親の言うことを聞かないといけない」と言わなくても、親が信じてその子を認めてあげると、「お父さん、お母さんは私を大切にしてくれるから言うことを聞こう」となります。子どもが人の物を取ったり、人を叩いたり、嘘をついたりなど、明らかに悪いことをしたら、なぜそれがダメなのかを教えないといけない。でもそれは、親の考えと言うよりは、世の中のダメなことを教える“天の教え”のようなもの。親のエゴ、先生のエゴは考え直さないといけません。
確かに、静かに授業を聞いて手をあげてくれたら、先生はやりやすいですよ。しかし、子どもは成長過程にあります。子どもを評価するのではなく、“今”のこの子は嫌がっている、“今”のこの子は反抗的なだけと思えばいいんです。反抗的な態度をとったからといって、「この子はやりにくい子」「この子は悪い子」といった決めつけにならないようにしてほしいと思います。

私も経営している塾のスタッフ全員に、いつも伝えています。この子はこういう子だと絶対に決めつけないこと。「この子は宿題をやらない子だ」とか、「いつも遅刻する子だ」とか、「この子は態度の悪い子だ」と決めつけてしまったら、そういう子になるよと。
ミラーリングといって、子どもは大人の気持ちの鏡なんじゃないかと思うことがあります。たとえ宿題をしてこなかった日が続いたとしても、「明日はしてくるに違いない」と考え、次の日には真っさらな気持ちで、その子を迎えてほしい。“今”はこうだけれども、でも大丈夫。そんな気持ちで子どもを見てあげてほしいです。

 

世間の目を気にせず、
頑固にならないように

親として子どもを守りきるためには、自分が頑張るだけでなく、周りを頼ったり、社会を頼ったり、冷静な判断がいります。子どもを守るためにも持ってほしいのは「社会性」と「知識」。親のコミュニティがあまりにも小さくなりすぎないよう、限られた人間関係だけの社会にならないよう意識することが大切なのではないかと思います。

また、子どもの態度やふるまいに対して、世間の目が気になることがありますよね。「うちの子が変だと思われていないか」など、親が気にする。気にするだけならともかく、それを「あなたがちゃんとしてくれないから」と、子どもに当たってしまうのは、もう負の連鎖。

子どもどうしで何かあっても、謝るべきところは謝って、お礼を言うべきところはお礼を言う。そういうところさえ、ぶれなければ良いと思います。子どもが多少個性的だったとしても、「悪かったらごめんなさい。何かをしてもらったらありがとう。でも、うちの子は可愛いわ。世間様はどう見ているか知らないけど」でいいじゃないですか。
親が子どもを守りたいがために頑固になってしまうのでもなく、世間の目を気にしすぎるのでもなく、「しなやかに強く」とよく言っています。そうでないと、自分もしんどくなるし、周りが見えなくなっていきます。大きく手を広げるイメージで子どもを守りましょう。

子育てはシンプルに

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

自分が責められるのが嫌、変な目で見られるのが嫌、必要以上に世間の目がすごく気になる。もし、そういう気持ちになったら、子どもを育てる覚悟とはどういうことなのか、もう一度考えてみませんか。

周りや社会に頼れるところは頼ればいい。しかし、世間というのは100%味方になってくれるわけでもありません。後で子どもが思い返した時に、親がこう言ってくれたなと思えるような、言葉選びや態度をとれるように、自分をマネージメントするしかありません。

プレッシャーに思う必要はありません。「覚悟」とはシンプルなこと。叱るときでも、諭す時でも、子どもとの時間を大切にしようと決める。できるだけニコニコ笑って、好きな本を与えたり、一緒に体験をしたり、失敗したら寄り添って、いけないことをしたら一緒に謝る。子どもにとって良い状況をどう作るかは、シンプルに考えたほうが良いと思います。難しく考えすぎずに。

 

次回の「Vol.04」は7月30日(金)にお届けします。お楽しみに!

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