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【玉井式子育て教室I】-Vol.02- 子どもへの愛情のかけ方、親の成長

2021年7月16日

【玉井式子育て教室I】-Vol.02- 子どもへの愛情のかけ方、親の成長

これからの子どもたちは、これまでよりも世界に目を向けなければいけない時代を生きることになります。今のままの教育で良いのか、変わっていかなければいけない点は何なのか。グローバル時代を生きる子どもたちの成長のために、どのような価値観が必要なのでしょうか。
何のために教育するのかという、教育の価値観をしっかり持って、「親が笑顔でいること」「子どもへ何よりも愛していると伝えること」そして、「花(成果)を咲かせることだけでなく、丈夫な根っこ(土台)を育ててあげること」を大事にする。そう言うのは、「世界に負けない子に育てる」教育を提唱し、独自の能力育成教材を開発し続けてきた玉井満代先生。

玉井先生の考える子育てと教育について、48回にわたり、さまざまな視点でお届けします。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

《教えてくれたのは》
(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ
代表取締役 玉井満代さん

京都市生まれ、ICT教材クリエイター・脚本・演出家。20年にわたる全国数百の学習塾での指導経験を生かして、学校、またインド、ベトナム、シンガポール等で続々と導入されている「玉井式 国語的算数教室®」「玉井式 図形の極®」など、パソコン・タブレットを使用して学習する教材を全国展開。2021年現在、日本全国で24,000人が学習しており、有名私立小学校・大手学習塾・幼稚園・保育園及び学童などで広く活用されている。また、インド著書には「世界に出ても負けない子に育てる」(青春出版社)他。国内外での年間講演回数は120回(2018年度)を超える。洛南高等学校附属小学校で「玉井式 図形の極®」が授業カリキュラムとして取り組まれている。また、2021年度より、奈良育英小学校の副校長に就任。

>> TAMAISHIKIオフィシャルサイト
>> 奈良育英小学校

 

– 編集部 −
第2回目のメインテーマは「子どもへの愛情のかけ方」「親の成長」。情報過多の世の中で、何を大切にどう育てるか。
子どもの声を聞き、意見を尊重してあげるにはどうしたら良いのか。知らず知らずに子どもに親の意見を押し付けているかもしれません。
子どもの良いところを認める「自己効力感」とは。また、親自身がどう成長していくかについて、玉井先生に伺いました。

情報に振り回されないこと

お母さんは、今とても忙しいですよね。ワンオペだとさらに忙しい。子育てはお母さんだけの責任ではないのに、いろいろと悩んでいると思います。その上に情報過多で、「こうした方がいいよ」くらいの話が「こうしないとダメだ」と思い込まされると、すごくしんどくなりますよね。

たくさんの情報があっても、まず大事なのは、子どもに「愛しているよ」とどう伝えるかということ。そして、小さなことで良いので、子どもとの時間をとること。楽しく一緒にホットケーキを作るくらいのことでいいんです。そこに気をつけたら子どもはまっすぐ育ちます。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

講演会などをすると「何の習いごとをさせたら良いですか」「いっぱいさせた方が良いですか」との質問がよくあります。
子どもがハマるものがあればさせてあげればいいですが、本人がやりたくなかったら無理にさせなくてもいいんです。親が一生懸命、習い事をさせようとしても無理で、親の思う通りにいかないことなんて、いっぱいあります。ピアノをさせようとしてもバイオリンをやりたい子がいるし、小さい頃に音楽をしていなくても、大きくなったらいきなりギターを始めた、なんてこともあるわけですから。

要するに、親が情報過多に振り回されないようにすることです。それともうひとつ、自分の子どもの人生に他者は責任をとれませんよね。だから人の発言に振り回されなくていいんです。それよりも、細かなことは気にしないで、お母さんやお父さんがニコニコしているほうが、100万倍も子どもの心につながって、「お母さんのために頑張ろう」「お父さんを喜ばせたいから頑張ろう」という気持ちになり、子どもにとってもプラスだと思います。

 

本の選び方と文字脳

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

また、子どもには本を好きになるようにしてあげてください。そのためには、子ども自身が読みたい本を与えるようにしてほしいと思います。日本で出版されている絵本は、どれも厳正に言葉が選ばれていますので、大人から見た“良い本”を与えようとしなくていいんです。子どもにとっての良い本は子どもがワクワクする本です。親がこれが良い本だからといって与えて、もし、つまらなかったら、子どもは本をつまらないものだと思ってしまいます。

幼少期のときから本当に大切なことは、「本って楽しい、本はワクワクする。本の世界に入りたい」と思わせること
「本の内容を理解しているか、本は大人が推薦するものがいい、年齢相応の本を読ませないと」といったことは全然気にしなくていいんです。そもそも「○年生の本」など何歳相当か書かれているのは日本だけです。
例えば、小学5年生の子が1年生相当の本なんて選んだ日には、「そんな本を読むの?低学年の本じゃないの」と言ってしまっていないでしょうか。気持ちはわかりますが、不要な発言ということです。

こうした理由は、これからお話しする【文字脳】が学年どおりではないからです。文字脳の成長は子どもそれぞれで、高学年になったからいきなり長文が読めるようになるというわけじゃないんです。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

まず、この【文字脳】を育成すること
文字脳とは、文字を認識する能力。これは文字の大きさがとても左右します。大きすぎても読みづらい。子ども一人ひとり、成長具合で自分にぴったりの文字の大きさがあるんです。そこを外して、良い本だからと大人目線で勧めても読みづらいんです。大人でも一緒ではないでしょうか。

ですので、子どもに好きな本を選ばせること
これが、本を好きな子にするナンバー1のことです。

例えば、「電車の本ばっかり読む」と、悩まれる親もいますが、好きなもので良いんです。本を好きにさえなれば、自然と文字を読みます。文字を読むことによって、文字脳が育成されます。訓練するように無理やり読ませるのではなく、「本が好き」という気持ちを育めば、どんどん読んでいくものです

なので、親御さんが勝手に「そんな本はだめ」と、選んだ本を否定しないこと。どんな本を選んでも、この子にとっては、この文字の大きさが読みやすいんだなと受け入れてあげること
否定されると子どもは親に忖度して、「この本を選んだら親が喜ぶかな?」といった選び方になるかもしれません。親に褒められたい本の選び方をすると、それは子どもの好きなものでないから、いずれ本が好きじゃなくなりました、ということにもなりかねません。

「どんな本でも良いから、あなたの好きな本を選んでごらん」といってあげてください。
自由に考えさせて、本の世界に没頭するようにしてあげてください
また、読んでいる途中に知らない言葉があっても、一気に読んでいいと伝えてあげてください。途中で止まるとストーリーが頭に入ってこなくなるので、読み終わってから一緒に辞書で調べてあげると良いですよ。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

 

子どもの長所をよく見てあげる

本を選ぶ一つにしても、自分の子どもの「長所をよく見ること」です。親はどうしても「できないことに」フォーカスし過ぎてしまいます。

例えば、テスト持って帰ってきて、95点だとしましょう。すると、「どこを間違えたの?」と、取れなかった5点を言う。「見直した?よく読んだの?よく読んだら100点だったのに」と。80点でも90点でも怒られて「お母さんは100点のボクしか褒めてくれないんだな」と、条件付きの愛になってしまいます。そうしていくと、「どうせ自分はできない」というのが強くなって、【自己効力感】に影響してしまいます。
例え点数が低くても、「これもできているね!」とできているところを褒めてあげてください

自己効力感については、また今後のコラムでも詳しくお伝えしますね。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

日本の文化では和を大切にします。そのため、自分の子どもを人前で褒めません。子どもがそばにいるのに「うちの子は全然だめ」と謙遜します。

「うちの子はこんなに努力家で、お手伝いもしてくれて」と、自分の子どもを褒めると浮いてしまうかもしれませんが、子どもにとってはどうなのでしょう。たまには親同士で事前に打ち合わせして、自分の子どもを褒め合うようにしてみてはどうでしょうか。子どもには謙遜がわかりません。親に褒められることが“命”なんです。

親の成長〜子育てに失敗はある?〜

子育てに失敗なんかありません。世の中には失敗なんてないのです。「また勉強になったな」と思うだけで、失敗と決めたら失敗になる。後悔することで何かが変わるとしたらいいですが、ただただ辛くなるだけ。
「小さいときからもっと読み聞かせをしてあげればよかったな…」
「もっと遊んであげたら良かったな…」
「毎日怒ってばっかりいたな…」
「悪いところばっかり見ていたな…」

と思ったとしても、「じゃあ今からどうする?」と切り替えてください。時間は今から未来にしかないのですから。

今の子どもと向き合えばいい。気づいた時にどうするかを考えたらいい。
遅いということはありません。時間はかかるかもしれないけれど、もう間に合わないってことはありません。なぜなら、子どもたちにはまだまだ可能性があるからです。気づいた時から変わればいいんです。

幼児期に理想的な接し方ができていなかったとしても、虐待でさえなければ、単純にお母さんお父さんが変わってしまえば、子どもも変わります。
「ありがとう」「ごめんなさい」を子どもにも伝え、愛情を伝えられる親になれば、軌道修正していけます
第三者の話を聞いて、「そうだ」と思ったら変わるチャンスだと思って、素直に変わればいい。過去のことを後悔する必要はないんです。どんな形であっても、愛情をもって一生懸命育ててきたのですから。
今からでもいい、何かあった折々には、子どもを認める言葉をかけてくださいね。

 

次回の「Vol.03」は7月23日(金)にお届けします。お楽しみに!