子どもたちの未来へつなげ「ぱーぷるmirai」

子育て情報も配信!奈良のタウン情報アプリ「ぱーぷる」

  • 子どもたちの未来へつなげ「ぱーぷるmirai」 App Store
  • 子どもたちの未来へつなげ「ぱーぷるmirai」 Google play
  • 子どもたちの未来へつなげ「ぱーぷるmirai」 instagram
  • 子どもたちの未来へつなげ「ぱーぷるmirai」 Facebook

特集

【玉井式教育学I】– Vol.16 – 学校、出会う先生で、子どもの人生が変わる

2021年10月22日

【玉井式教育学I】– Vol.16 – 学校、出会う先生で、子どもの人生が変わる

これからの子どもたちは、これまでよりも世界に目を向けなければいけない時代を生きることになります。今のままの教育で良いのか、変わっていかなければいけない点は何なのか。グローバル時代を生きる子どもたちの成長のために、どのような価値観が必要なのでしょうか。
何のために教育するのかという、教育の価値観をしっかり持って、「親が笑顔でいること」「子どもへ何よりも愛していると伝えること」そして、「花(成果)を咲かせることだけでなく、丈夫な根っこ(土台)を育ててあげること」を大事にする。そう言うのは、「世界に負けない子に育てる」教育を提唱し、独自の能力育成教材を開発し続けてきた玉井満代先生。

玉井先生の考える子育てと教育について、48回にわたり、さまざまな視点でお届けします。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

《教えてくれたのは》
(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ
代表取締役 玉井満代さん

京都市生まれ、ICT教材クリエイター・脚本・演出家。20年にわたる全国数百の学習塾での指導経験を生かして、学校、またインド、ベトナム、シンガポール等で続々と導入されている「玉井式 国語的算数教室®」「玉井式 図形の極®」など、パソコン・タブレットを使用して学習する教材を全国展開。2021年現在、日本全国で24,000人が学習しており、有名私立小学校・大手学習塾・幼稚園・保育園及び学童などで広く活用されている。また、インド著書には「世界に出ても負けない子に育てる」(青春出版社)他。国内外での年間講演回数は120回(2018年度)を超える。洛南高等学校附属小学校で「玉井式 図形の極®」が授業カリキュラムとして取り組まれている。また、2021年度より、奈良育英小学校(現 奈良育英グローバル小学校)の副校長に就任。

>> TAMAISHIKIオフィシャルサイト
>> 奈良育英グローバル小学校

 

– 編集部 −
第16回目のメインテーマは「学校選びの重要性」。
子どもたちは多くの時間を学校で過ごしています。どのような教育の考えを持った学校か、先生たちかで、子どもの環境や学び、考え方などが大きく影響します。
子どもの良さを潰さず、家庭と違ったアプローチで成長していける学校とは、親としてどのポイントに注目すれば良いのか、玉井先生の考えを教えてもらいました。

学校の情報をどのように得るか

奈良育英小学校でも入学前相談というのがあるのですが、最近、当校の新しい取り組みがうちの子に合っているとおっしゃる親御さんがいて感動したことがありました。
学校選びについては、学校のネームバリューだけでどこに行くかを決めると、子どもの個性によって合う・合わないというのがあります。私が思う学校選びのポイントは、まず校長先生が何を言っているのかということです。どの方向に子どもたちを育てようとしているのか、何を重視しようとしているのか。それが校長先生の言葉に表れますので、そこを知ることが重要です。

もう一つは、担任の先生や学校がどんな雰囲気なのかということ。月並みですが、通っている子どもたちがどういう風に楽しんでいるのか、その口コミはとても大切だと思います。奈良育英小学校でも1学年上に知り合いがいるということで、他の幼稚園から来られることがあります。
学校側はどうしても良い点ばかり伝えますので、やはり内部の人に具体的に聞いて情報を集められると良いと思います。その情報が複数あればあるほど、正しく把握できると思います。例えば給食のおかずについてなども、細かく情報収集されている親御さんもいらっしゃいます。いじめの有無が気になる方も多いかと思います。様々な質問について、学校側が「こうです」と言っても実際はわからないこともあるかもしれません。実際に通っている人に聞かれるのが一番良いかと思います。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

今、実感として、奈良育英小学校のグローバル教育や表現、コミュニケーション、玉井式国語的算数教室などの授業の内容や取り組み、目指すところが、口コミで広がっているように思います。とてもありがたいなと思います。

当校の一貫校である女子校の「育英西中学校・高等学校」はバカロレア認定校(※1)で、おすすめの学校です。国内の大学にも行けるけど、海外に行きたかったらこの学校となるよう、世界の情報もあって受験ができるような学校づくりをしていきたいと思っています。ただもちろん子どもによっては、一貫校にこだわらず、外部の中学、高校へ出ても良いと思っています。

※1 バカロレア認定校…世界共通の大学入試資格とそれにつながる小・中・高校生の教育プログラムをしている学校

子どもに合う「学校」かどうかを見極める

学校の中のできごとは、子どもへの影響が大きいものです。大切な話なのですが、出会う先生の一言で子どもが変わることもあります。
大学でしたら変えることもできますが、小さい時は本人の意思で移動できないので、親が子どもの様子を見て合わないように思えば、別の学校に転校すれば良いと思っています。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

学校の立場で申し上げると、「この学校に通って良かった」と言ってもらいたいという気持ちがあります。当校も親御さんに聞くと楽しく通っていると言ってくれています。小競り合いはありますが、陰湿なことはありません。子どもたちは人懐っこく、純粋というかみんな素直で、私を見かけると寄って来てくれます。
私が一人ひとりの机を回って教材の丸つけをしていたら「○○ちゃんが困っているから見てあげて」という声が子どもから上がります。その教科が苦手な子がいても、人を蔑むようなことを言う声は聞いたことがありません。ちょっとしょげている子がいたら、お節介なほどに寄り添ってあげたり、学校が綺麗になるよう掃除も頑張っていたりします。学校の伝統が根付いていると感じます。

奈良育英小学校は建物が少し古く天井が低いんです。最初は気になっていたのですが、天井が高いと子どもにとっては心理的に安全基地ではないんではないかと思うようになりました。子どもは体が小さいので、押し入れなど狭い場所に入って安心するというところがあります。これは私の仮説ですが、胎内記憶というのもあって、そんなに広々としたところでないほうが不安感は少ないのではないかと。開放的な空間でワーっと遊ぶときはまた別ですが、木の温もりを感じる校舎で勉強する、それは良いように思います。

また、学習面ではとても難しいことをしています。2週間に1回はマレーシアの人と交流をし、終わってすぐ外に出たら、泥や花がいっぱいあって、「カタツムリ見つけたよ」といった声が飛び交い、一気に子どもの顔に戻っています。メリハリが一日の中でいっぱいあるんですね。だから、とても子どもの心が落ち着いているんじゃないかと思います。そんな奈良育英小学校を私自身、素敵に誇りに思っています

大人が何を論じても、結果を出すのは子ども自身です。当校の子どもたちは、誰にも忖度せず、とても素直に結果を出してくれます。「学校が好き」、「勉強ができるようになる」、「教材が好き」といった声もそうです。子どもたちは相手がどうであれ、ちゃんと自分を出してくれるので、私はそれが怖くもあり、嬉しくもあります。先生が色々おっしゃっても、学校の良さは子どもがバロメータになるのです。

 

子どもが出会う人の大切さ

人生の師匠というか、良い人と出会うことが人間は一番成長できると思います。我々もそうであったように、「あの一言でこうなった」ということが人生にはあると思います。だからこそ、周りの大人は言葉に気をつけなければいけないし、伝え方やある一言で、もしかしたら子どもの人生の方向を変えるかもしれない。

大袈裟ではなく、いつも大切に相手に伝えないといけないと思います。ついうっかり言ったことが子どもの自信を失わせたり、傷つけたり、思い込ませたりというのがあります。それは良い方にも悪い方にも針がぶれるので、大人は本当に気をつけなければいけないと思います。

子どもが信頼できる人を探してほしいと思います。学校だけでなく、習い事や学童、地域の方でも「この人、素敵だな」という人がいたら、親御さんが少し気にかけてみるだけで違うのではないかと思います。「贔屓してください」ということではなく、例えば子どもに「あの先生、素敵ね」と伝えると、子どもはそうなのかと思って、その先生に声をかけられたときには嬉しく思えるのではないでしょうか。

気にかけてほしい先生がいたら、「うちの子は○○が得意ですので、ぜひ声をかけてあげてください」など、負担にならない程度で、そういうアプローチをされても良いかと思います。
コミュニケーションは大事で、そういった声かけがあれば、思い出して声をかけられる先生もいるんですよ。それがすぐに実現されるかされないかではなく、「この人は」と思ったら、親御さんもぜひコミュニケーションをとってみてください。

 

次回の「Vol.17」は10月29日(金)にお届けします。お楽しみに!

関連特集
>>【玉井式教育学I】– Vol.15 –「何のために学ぶの?」親としてどう答えるか。
>>【玉井式教育学II】– Vol.17– 失敗してもいい、チャレンジすることの大切さ