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特集

【玉井先生が伝えたいこと】– Vol.40 – 玉井先生からのメッセージ

2022年4月22日

【玉井先生が伝えたいこと】– Vol.40 – 玉井先生からのメッセージ

これからの子どもたちは、これまでよりも世界に目を向けなければいけない時代を生きることになります。今のままの教育で良いのか、変わっていかなければいけない点は何なのか。グローバル時代を生きる子どもたちの成長のために、どのような価値観が必要なのでしょうか。
何のために教育するのかという、教育の価値観をしっかり持って、「親が笑顔でいること」「子どもへ何よりも愛していると伝えること」そして、「花(成果)を咲かせることだけでなく、丈夫な根っこ(土台)を育ててあげること」を大事にする。そう言うのは、「世界に負けない子に育てる」教育を提唱し、独自の能力育成教材を開発し続けてきた玉井満代先生。

玉井先生の考える子育てと教育について、48回にわたり、さまざまな視点でお届けします。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

《教えてくれたのは》
(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ
代表取締役 玉井満代さん

京都市生まれ、ICT教材クリエイター・脚本・演出家。20年にわたる全国数百の学習塾での指導経験を生かして、学校、またインド、ベトナム、シンガポール等で続々と導入されている「玉井式 国語的算数教室®」「玉井式 図形の極®」など、パソコン・タブレットを使用して学習する教材を全国展開。2021年現在、日本全国で24,000人が学習しており、有名私立小学校・大手学習塾・幼稚園・保育園及び学童などで広く活用されている。また、インド著書には「世界に出ても負けない子に育てる」(青春出版社)他。国内外での年間講演回数は120回(2018年度)を超える。洛南高等学校附属小学校で「玉井式 図形の極®」が授業カリキュラムとして取り組まれている。また、2021年度より、奈良育英グローバル小学校の副校長に就任。

>> TAMAISHIKIオフィシャルサイト
>> 奈良育英グローバル小学校

 

– 編集部 −
変わっていくこれからの時代、世界の状況、それを踏まえて、日本の子どもたちがこれから力強く生きていくために、「教育だけが未来を作る」と言う玉井先生の子どもたちへの想いや願いを話していただきました。

子どもたちとの触れ合いから得たもの

奈良育英学園の創設者である藤井ショウ先生は亡くなられていますが、学校を創立されたその想いを脈々と引き継いでいくことが大切であり、私たちの義務であると思います。私が奈良育英グローバル小学校の副校長をお引き受けしたのは、教育理念である「育英誓願」に謳われている建学の精神に共感したからです
奈良育英学園の歴史は、大正時代、女性のための学校を作られたことが始まりですが、その当時の状況を思うと、どれほど周囲からバッシングがあったのだろうかと想像します。どれほど心折れずにがんばったのだろうと。今でさえ女性が何か新しいことをしたり、社長になったりするのは大変なことです。それを大正時代に実現したのはすごいという思いがずっとありました。その創設者の教育への想いを次の世代に広げていくために、玉井式が力になれれば良いなと思っています。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

いずれ奈良育英グローバル小学校の子どもたちが卒業して10年、20年が経ち大人になったとき、「今、自分がいるのはあの小学校でこんなことを習ったからだ」とか、「あの小学校に行ったから今の自分がある」と思う人がいっぱいいたら、その時に初めて私の会社にとってリターンになるかもしれません。それで良いんです。教育ってそんなものです。私たちは目先のことを考えているわけではなく、私利私欲のためには動かないのです。

しかし、現時点ですでに得たこともたくさんあります。子どもたちが「先生!先生!」と寄って来てくれますし、この年齢になって子どもたちに懐いてもらえるなんて最高です。子どもたちの成長を間近に見られて、いつでも教室に会いに行けます。私が教室に行くと、子どもたちがいつも何かくれるんです。「手裏剣あげる」と言って折り紙で折ってくれたり、「私、これが得意なの」と切り絵をくれたり、そんな贈り物はいくらお金を出しても買えないものです。小学校に深く関わったからこそもらえる宝物で、とても得したと思っています。いっぱい宝物が溜まりましたよ。

これからの未来に希望が持てるし、この子たちのためにがんばろうと思えます。いつも子どもたちから元気をもらっています。学校に行く度に、「もっとこうしてあげたいな、もっとこうした方が良いのかな」と授業のことを考えたり、子どもたちの話を聞いたりするだけで、新鮮な気持ちになります

子どもたち同士の小競り合いがあった時は、自分たちがONEチームになっていくためには、どうしたら良いかを考える時間があります。そういった時は、「お互いの良いところを認め合いながら、問題があったらその問題点だけを考えるんだよ」と伝えています。「あの子はこういう子だと決めつけないで、問題点を考えるんだよ」というと、子どもは素直に考えるんです。
そうすると、問題を起こした子もその部分だけを言われるので素直に反省できるし、その繰り返しが必要かなと思います。

教育は最高だなと思います。「教育だけが未来を作る」と私はいつも言っています。教材メーカーとして教育に携わってきましたが、教育現場に関わる立場になり、身近に子どもたちと触れ合えることが貴重です。教育者は自分も楽しみながら教育に関わることができたら良いなと思います。

親ならば、誰よりも
自分の子どもを認める存在に

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

自分のお子さんは何より大切です。親御さんであれば誰しも、子どものためなら、自分の命に変えても良いくらいではないでしょうか。それぐらい大事な存在なのが子どもですよね。だからこそ、盲目的にならず、自分の大事な存在である子どもが、何かができないという時でも、責めたり、怒ったりするのではなく、一番近くに寄り添ってあげて欲しいですし、そんなに焦らないで、誰よりも子どもを認めてあげる存在になって欲しいと思います。もちろん、子どもですから成長過程にはいろいろなことがあります。間違いを起こすこともあるし、できないこともあるし、このままで大丈夫かなと思うこともあるでしょう。しかし、「この人は絶対に自分を認めてくれる」という存在がいれば、ある時点で、しっかり歩もうと決められるものです。そういう存在がいないと、自分の道を探すのが大変になるんです。甘やかすということではありません。「絶対にこの人は自分を信じてくれている」と思える人がいるだけで、間違えた方向に行かないと思うんです。

そもそも、子どもが親の言う通りになると思うこと自体がおかしいのです。自分なりの考えを持っていて、反抗もするし間違えたりすることもあるけれど、必ず自分を認めてくれる人がいるかいないかで、人生が本当に違ってくるのだと思います。人生の岐路に立ったとき、そうした存在がいる人といない人の差が出てくるとも思います。あとは、それが子どもに伝わっているかどうかが一番大事です。子どもからしたら、そんなふうに感じていないこともあるので、それをしっかり言葉で伝えてあげて欲しいと思います。

 

次の世代の若い人たちへ

今の若者はデジタルネイティブですし、ICTも使いこなして、いろいろな意味で優秀だと思います。そういう若い人たちが、人としてどう成長していくと良いのかと考えます。今の50代以上と20代を比べるとPCスキルにも差があって、SNSなどを使いこなすのも圧倒的に若い世代なんですが、年配の人が使いこなせないからといって、目上の人を軽んじないで欲しいと思います。周りの人たちに応援してもらわないと、結局一人では何もできないからです。人がどれだけ応援してくれるかで、自分がどれだけ大きくなれるかが変わるということを知っていたほうが良いと思います。優秀で若いから怖いものなし。その気持ちで、どんどんチャレンジしていって欲しい。一方、それをさらに生かしていくためにも、世界をいっぱい見て、困っている人も、困っていない人も、さまざまな人々を見て、自分の価値観が固まらないように心がけて欲しいと思います。
若い人たちは、「自分が何をしたいか」だけを中心に考えて進んでも良い年代です。自分のできる範囲を勝手に制限して、その枠の中で自分の条件に合いそうなところだけを進学先や就職先に選ぶことはないと思っています。

私はベンチャー企業の経営者として歩んできました。しかし、生徒一人の個人塾からスタートして25年、当時は教材メーカーになるとは全く思っていませんでしたし、まさかインドで自分の作った教材が使われるとも思っていませんでした。目の前のたった一人の生徒を教えながらやってきた中で、「もっとこうした方が良いんじゃないかな」「この教材は世界で通用するのかな」「塾用の教材を見直したほうが良いんじゃないかな」「それなら、自分で作ったら良いんじゃないかな」と気付いたことを、その時その時、一生懸命やってきた結果、今ここにいるわけです。初めから、大きい会社にしようとか海外で活躍したいとか、そんなことを思っていたわけではないんです。「もっとこうしてあげたい」と気付いたことを実行してきて、今につながっています。

若い人たちには、最初から完璧を目指さなくても良くて、今の自分ができることを一生懸命していれば、必ず想像もしなかった道がどんどん拓けるはずだと伝えたい。たとえ今、こんなはずじゃないと感じても、目の前のことを一生懸命にやっていれば必ず道は拓けていくし、応援してくれる人も出てくることを、次の世代に伝えていきたいと思います。若い人たちには、自分たちはもっとできると思って欲しいと思います。

時々「英語が得意なので、英語を使って仕事をしたいです」と言われることがあり、不思議に思います。それは、日本人が「日本語を使って仕事をしたいんです」と言っているのと同じなんです。そうなると、「日本語を使って何をしたいんですか?」と思いますよね。ですので、世界の人からすると「英語を使って仕事をしたい」というのは、クエスチョンに思えることなんです。世界では、多くの人が当たり前に英語を使って会話をしているのですから。日本では英語が使えることが特別なので、そのような感覚になるのかもしれませんが、目指すのはそこではないということをわかっていないといけないと思います。
これからも、こんな話を自分の実体験の中から伝えていきたいと思います。若い人たちにいろいろ伝えるためにも、今も仕事をがんばっています。私は若い人たちにこう言うんです。「絶対にあなたたちは優秀だから、躊躇しないでやっていけば良い」と。

次の世代に引き継ぐために自分がいる。全ての生物がそうであるように、次の世代、またその次の世代のためにも、若い人たちが自分のしたいことを見つけて、自分を信じてチャレンジしてくれたらと思います

 

次回の「Vol.41」からは昨年に実施した「子育て・教育オンラインセミナー」の模様を動画でお届けします。5月6日(金)配信です。お楽しみに!

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