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特集

「食」で病気に負けない強いカラダづくり

2020年12月20日

「食」で病気に負けない強いカラダづくり

伝統的な和食や日本古来の発酵食など、日本には免疫力向上につながる食文化があります。
素材を生かしきりながら、簡単でスピーディーにできる『陰陽調和料理』や食と健康の考え方について教えてもらいました。
※本特集では換気、手指消毒など感染予防を施し取材しています。

「食」で病気に負けない強いカラダづくり

《教えてくれたのは》
畑薬膳アカデミー代表
竹村享子さん

1953年生まれ。薬剤師、陰陽調和料理認定講師、野菜ソムリエプロ。
3人の子どもと孫が5人いる。子どものアトピー性皮膚炎や喘息で、食と身体の関係を知り、陰陽調和料理を習い始める。料理教室の「いんやん倶楽部」の立ち上げに関わる。その後、奈良にUターンをして、奈良を中心に大阪、京都で重ね煮や発酵食について教えている。

 

「成人病」が「生活習慣病」と
言われるようになったのは

 肥満や糖尿病、高血圧など「成人病」と言われていたが、今は「生活習慣病」と言うのが一般的になった。それは、これらが生まれ持った病気ではなく、不摂生な食事、運動不足、睡眠不足など、生活習慣が深く関わっているからだ。高度成長期以降、この40~50年で、小麦や肉を食べる欧米型の食生活になったのも原因のひとつ。「食文化を戻すことはできないですが、日本人の体質にあった伝統的な和食が免疫細胞を元気にします」と竹村さんは言う。

発酵食を勧める理由
免疫と腸内細菌の関係性

 腸には免疫細胞が60~70%ある。だから、腸の状態が免疫力をつけることに繋がっていくという。日本人の腸内にいる細菌は特徴があり、欧米人に比べて種類が多いそうだ。それは、根菜やキノコ、海藻といった食材だけでなく、醤油や味噌、漬物といった発酵食をとってきたからと言う竹村さん。微生物が多くいて、菌が育っているのが発酵。発酵食の中には良い菌がいっぱいいる。「例えば、乳酸菌といえばヨーグルトのイメージがあるかもしれませんが、日本古来の発酵食、中でも糠漬けは乳酸菌の宝庫です。ヨーグルトを食べるとき、私は甘酒をお砂糖がわりにちょっと入れるんですよ。また、発酵食の良さはお腹に負担がかからないことです」。

 

味噌、醤油、酢…
発酵物の食文化

 「お米を蒸して2日間で麹を作り、大豆を炊いて塩を合わせたら味噌になる。私たちの子どもの時代は、家庭で作った家々の味噌がありました。それに、朝昼晩と漬物が出されていて、私も母がしていたように自分で漬けて食べるようになりました。自分で作った味噌や漬物はとても美味しい」。朝はごはんと味噌汁と漬物を取るくらいで十分なのだという。市販の味噌や漬物もあるが、製造過程が短く、発酵期間が少ないものもあるという。発酵期間が長いと旨み成分も多く、発酵の過程で微生物によって粒子が細かくなり美味しくなる。それに、手作りの良さは添加物が入っていない。市販物でも良いが材料を見ることが大切だという。「安い味噌は、質の悪い大豆を使って作られているものもあるので、材料は確認したほうが良いでしょう。醤油などもよく調べて、安全でポリシーを持った製造者が作っているものが良いと思いますよ」。

旬のものを積極的に
栄養価も美味しさも違う

 「例えば、ブロッコリーは冬の野菜。夏にも出回っているけれども、栄養価も美味しさも全然違う。ほうれん草も冬の野菜です。これも夏のものと冬のものでは、栄養価が数倍も差があるそうです。旬を知って旬の野菜を選んで食べたほうが良いですね」。

 「身土不二(しんどふじ)」という日本語にもあるように、暮らしている土地のものを食べることが、自然治癒力を高めて体によいとする考え方が、新鮮で栄養価の高い食材を選ぶことにつながり、結果として身体にとってもプラスになっているのかもしれない。

皮をむかず、アクもそのまま
一物全体食でズボラ料理

 「陰陽調和の重ね煮」は皮もむかず野菜を切って順番に重ねて蓋をして煮るだけ。アクも取り除きません。「じつはズボラ料理なんですよ」と竹村さん。「出来るときに出来る範囲で料理をすれば良いと思います。ストレスを感じると腸が弱る。食事のバランスは大切ですが、手を抜くことに罪悪感を感じる必要はありませんよ」。

 

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