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【主体性・創造性・共同性を育む幼児教育アプローチ】2020年から始動!就学前の子どもたちへの奈良県版就学前教育プログラム『はばたくなら』とは

2021年5月14日

2020年から始動!就学前の子どもたちへの奈良県版就学前教育プログラム『はばたくなら』とは

就学前の子どもたちの「育ち」に着目し、どのような教育・保育にしていくかの方針を示した教育プログラムが始まりました。奈良県が幼児教育を重要視しているワケを取材しました。
取材協力:奈良県 奈良っ子はぐくみ課
※本特集では換気、手指消毒など感染予防を施し取材しています。

どうして「就学前」の幼児教育に力を入れることになったの?

全国平均より下だった奈良県の子どもの
「自尊感情」「規範意識」「学習意欲」

平成30年に行われた「全国学力・学習状況調査」において、奈良県の子どもたち(小・中学生)の「自尊感情」「規範意識」「学習意欲」という意識に関わる項目の平均値が、全国平均に比べ低かったのです。それを高めるにはどうしたら良いかと言うことで、「非認知能力(※1)」に注目することになりました。

これは幼児期に育まれるもので、小・中学生から培おうとしてもなかなか難しい。ですので、生涯における人格形成の基礎が培われる就学前に非認知能力を育むため、公立・私立の保育所・認定こども園・幼稚園、どこに通っていても、子どもに関わる大人が共通認識を持ち、教育・保育を行うことができるよう、奈良県と奈良県教育委員会が連携して、その指針を作成しました。

それが奈良県版就学前教育プログラム『はばたくなら』です。この指針をとおして、奈良県全体で幼児教育に取り組んでいくこととなりました。

「自尊感情」「規範意識」「学習意欲」は、なぜ大切?

「学ぶ力」「自分を認める力」「他者への思いやり(道徳心)」をベースに持つことが、子どもたちの「生きる力」となります。それは、勉強だけではなく様々なことに前向きに取り組めたり、好奇心を持てることで自分の好きなことに突き進めたり、人と協力することで実現できたり、ということに繋がっていきます。それが、人生を楽しみ切り拓いていける力となるからです。

※1 非認知能力とは…IQや学力テスト、偏差値などのように点数や指標などで明確に認知できるものではないが、子どもの将来や人生を豊かにする一連の能力(目標に向かって頑張る力、自己肯定感、自制心、他者への思いやり、論理的思考など)。

2020年から始動!就学前の子どもたちへの奈良県版就学前教育プログラム『はばたくなら』とは

(平成30年度全国学力・学習状況調査結果から)

 

子どもの主体的な活動、自主的な発達を支援するための指針
奈良県版就学前教育プログラム『はばたくなら』とは?

幼児期の教育・保育は、「環境」を通して行います。「環境」とは、何を与えるか、といった物質的なものだけでなく文化や社会的背景も含まれます。このような環境は、子ども同士や周りの多くの大人によって作られます。
中でも重要な存在となるのが、保護者と同じくらい子どもたちと接する時間の多い保育士・教員などの「保育者」。保育者は、子どもの主体的な活動、自主性の発達を支援・援助する存在であり、その在り方しだいで、子どもへの影響は非常に大きいものです。
そんな保育者が、どのような視点を持って、子どもたちとどのように関わると良いのかを具体的に示した指針が奈良県版就学前教育プログラム『はばたくなら』。
これは平成29年3月に告示された日本の幼児教育の基準となる「幼稚園教育要領」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」「保育所保育指針」を踏まえながら、「自尊感情」「規範意識」「学習意欲」に繋がるポイントを子どもの発達段階に合わせてまとめています。

奈良県 奈良っ子はぐくみ課からのメッセージ

一人ひとりの感性を引き出していくことが幼児教育であり、教え込むことが教育ではありません。
子どもたちが日々の遊びの中で、「こころが動く経験」などを積み重ねることにより、非認知能力が育まれていきます。就学前のこの時期に、子どもと向き合って、健やかな心と身体をはぐくむ環境を作ることが大切です。
子ども自身が持っている感性をどのように芽生えさせ、育てていくか。幼児期の根っこの部分がしっかりしていたら、困難を乗り越える力になっていくと思います。
子どもは社会の宝です。奈良県全体で、就学前の子どもたちをはぐくんでいきたいと思っています。

「自尊感情」「規範意識」「学習意欲」とは

●自尊感情を育む

・自分が好き、自分を大切にと思える気持ち。
・ありのままの自分を受け入れられたという安心感。
【サポートの仕方】
・子どもが自ら考え選択したことを認め、受け入れていくというのが大前提。
・子どもが自分の力で成し遂げたことを認める。
・子どもが乗り越えて頑張れそうな課題を提示する。

●規範意識を育む

・集団生活や遊びの中で、必要な道徳心が育つ。
・他者を思いやる気持ち(自分が楽しいことや嬉しいことを他者と分かち合う)。
【サポートの仕方】
・トイレのスリッパが揃っていると次の人が使いやすいなど、行動の意図を伝える。 ・保育者自らが道徳的な行動のモデルになる。

●学習意欲を育む

・遊びの中で「やってみたい」「もっとがんばろう」という気持ち。
・できたという達成感。考えたり試したりしながら最後までやろうとする気持ち。
【サポートの仕方】
・「できた」という結果ではなく、その過程に着目する。
・子どもが選択や決定できる機会を意図的に作り、子どもの行動に保育者が興味を示す。そのような活動を支える姿勢を持つ。

 

保育・教育に携わる保育者、保護者の方へ
漫画で読める奈良っ子はぐくみストーリー
「はばたきの詩」

幼児期の子どもの心と身体を健やかにはぐくむため、特に大切にしたい子どもたちへの関わり方について、新人の保育者の成長を通して学べる啓発冊子が奈良県から発行される。わかりやすい形で伝えるため、教育・保育現場での体験や感動がダイレクトに伝わるよう、連載漫画で描かれている。
保育者を志す人や保育所などで働いている人だけでなく、子どもたちに一番身近なママやパパにも、ぜひ読んでほしい。2021年2月下旬に創刊号を発行予定。また発行以降は、電子書籍でも読むことができる。詳しくは奈良っ子はぐくみ課のホームページで。

【お問い合わせ】
奈良県こども・女性局
奈良っ子はぐくみ課
TEL.0742-27-8604
>> 奈良っ子はぐくみ課ホームページ

2020年から始動!就学前の子どもたちへの奈良県版就学前教育プログラム『はばたくなら』とは

 

2020年から始動!就学前の子どもたちへの奈良県版就学前教育プログラム『はばたくなら』とは

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