子どもたちの未来へつなげ「ぱーぷるmirai」

子育て情報も配信!奈良のタウン情報アプリ「ぱーぷる」

  • 子どもたちの未来へつなげ「ぱーぷるmirai」 App Store
  • 子どもたちの未来へつなげ「ぱーぷるmirai」 Google play
  • 子どもたちの未来へつなげ「ぱーぷるmirai」 instagram
  • 子どもたちの未来へつなげ「ぱーぷるmirai」 Facebook

特集

【玉井式教育学II】– Vol.18– 「子どもの幸せってなんですか」って聞かれたら

2021年11月12日

【玉井式教育学II】– Vol.18– 「子どもの幸せってなんですか」って聞かれたら

これからの子どもたちは、これまでよりも世界に目を向けなければいけない時代を生きることになります。今のままの教育で良いのか、変わっていかなければいけない点は何なのか。グローバル時代を生きる子どもたちの成長のために、どのような価値観が必要なのでしょうか。
何のために教育するのかという、教育の価値観をしっかり持って、「親が笑顔でいること」「子どもへ何よりも愛していると伝えること」そして、「花(成果)を咲かせることだけでなく、丈夫な根っこ(土台)を育ててあげること」を大事にする。そう言うのは、「世界に負けない子に育てる」教育を提唱し、独自の能力育成教材を開発し続けてきた玉井満代先生。

玉井先生の考える子育てと教育について、48回にわたり、さまざまな視点でお届けします。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

《教えてくれたのは》
(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ
代表取締役 玉井満代さん

京都市生まれ、ICT教材クリエイター・脚本・演出家。20年にわたる全国数百の学習塾での指導経験を生かして、学校、またインド、ベトナム、シンガポール等で続々と導入されている「玉井式 国語的算数教室®」「玉井式 図形の極®」など、パソコン・タブレットを使用して学習する教材を全国展開。2021年現在、日本全国で24,000人が学習しており、有名私立小学校・大手学習塾・幼稚園・保育園及び学童などで広く活用されている。また、インド著書には「世界に出ても負けない子に育てる」(青春出版社)他。国内外での年間講演回数は120回(2018年度)を超える。洛南高等学校附属小学校で「玉井式 図形の極®」が授業カリキュラムとして取り組まれている。また、2021年度より、奈良育英小学校(現 奈良育英グローバル小学校)の副校長に就任。

>> TAMAISHIKIオフィシャルサイト
>> 奈良育英グローバル小学校

 

– 編集部 −
第18回目のテーマは「子どもの幸せ」とは。
「運動が苦手じゃないかな」「勉強が心配」「お友達と仲良くできているのか」と、親はいつも子どものためを思って心配してしまいますよね。
それは子どもの「幸せ」を願ってやまないからこそ。でも、我が子の「幸せ」とは何でしょう。玉井先生の考えを教えてもらいました。

「知っていく面白さ」を大事にすること

学ぶこと、何かを知っていくこと、本当はとても楽しくて素敵なことです。しかし、“勉強”となるとテストの点数で評価をされてしまうことがあるため、嫌いになってしまうこともあると思うんです。苦手意識を持ってしまって、それから先の勉強が嫌になる。最初につまずいて、大人から「〇〇ができないね」などとレッテルを貼られると、子どもは自分は「苦手」だと思い込んでしまいます。「自分は〇〇が苦手。だから嫌いなんだ」と。でも、その時にそれができなくても、学んでいけばできるようになることもたくさんあるのです。
ですので、知的学習を始めた頃の子どもには「苦手」といった思い込みをさせないように、成績が上がる、下がるということよりも、学ぶこと、知っていくことの楽しさを教えてあげて欲しいのです。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

「近くで虫がいっぱい鳴いているよ。どんな虫が鳴いているのかな?」
「何を食べているのかな?」
単に覚えて点数を取ることではなく、このように意外なことやいろいろな物事を知るのが楽しいことなのです。人は好奇心の塊です。子どもの「なんで?」はその現れです。子どもたちには、好奇心から繋がる学びの楽しさを知って欲しいと思います。 たとえ苦手に思うことがあっても、すぐにわからなくても、新しいことを知っていくのが楽しい。人生にとって、そう思えることはひとつの「幸せ」じゃないかなと思います。テストの点数が取れたときだけ「頑張ったね」ではなく、少しでも子どもが何かを学んだら「頑張ったね」と声をかけてあげて欲しいと思います。
テストで80点の子より100点の子のほうが「えらい、賢い」という考えで接してしまうと、80点の子が、テスト以外の部分でその科目に楽しいと感じていることがあるかもしれないのに、諦めてしまうことになったら、とても勿体ないと思うんです。

大人はもっと気をつけて、たとえ点数が取れていなくても、「あなたはこんなことを知ることができたでしょ。それって素敵なことだよ」と伝えて欲しいと思います。よく大人は「諦めるな」と言いますが、先に「できないね」とレッテルを貼られたら、諦めてしまいますよね。子どもが幸せになるためにも、「学ぶ楽しさを知る」ことについてもっと深く、大人自身が考えることが大切だと思います。

「点数が取れたら楽しくなる」というのは、ある意味真実であるからこそ、「その時点で低い点数しか取れていないとしても、そもそも学んでいくことが楽しいんだよ。できてもできなくても」ということをちゃんと伝えてあげて欲しいと思います。それが、これから長きに渡って、学校での知的学習を意欲的に続けていくための土台となるに違いありません。

「子どもの幸せってなんですか」って聞かれたら

頭が良いとかお金をたくさん持っているとか、人生の幸せに「優劣」に求めすぎると、そうでなかった場合でも素敵な人生があるのに、それを見失ってしまうのでないかと思います。それはすごく不幸なことで、自分を支えてくれる家族がいたり、友人や仲間がいたり、健康であることだったり、小さなことでも人の役に立っていたりと、人生の価値は他にもたくさんあるのに、それが素敵なことだと思えなくなるのではないでしょうか。

「あの子はこんなことができるけど、自分は…」と思ったら、自分が価値のないものに思えてくる。そんな気持ちになることは、子どもの幸せではないと思います。
「子どもの幸せってなんですか」と聞かれたら、自分には“価値がある”と思えることではないでしょうか。いつも人に親切で人の役に立とうとしたり、興味を持って学ぶ姿勢があったり、自分なりに何かをしようとしている人は素晴らしい人生となるでしょう。 本人が自分には“価値がある“と思うことが幸せであって、それを大人が点数や肩書きで縛るべきではないと思います。周りの大人は子育てや教育の中で、そんな価値観を大切にして子どもたちに接して欲しいと思います。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

大学へ入るのも本来は、「本当に学びたいことがそこにあるかどうか」であって、「この点数だからこの大学のこの学部へ行く」ではないですよね。本人が「○○を学びたいから、○○大学の○○学部へ行きたい!」となることが大切です。語学でもそうですが、本人が「やってみたい」と思っても、チャレンジする前に「自分は苦手だから」と頑張れなかったり、必要なこともできなくなってしまったりするのは勿体ないですよね。

自己肯定感が低くならないように、子どものその時の頑張りそのものを認めてあげて欲しいと思います。

 

次回の「Vol.19」は11月19日(金)にお届けします。お楽しみに!

関連特集
>>【玉井式教育学II】– Vol.17– 失敗してもいい、チャレンジすることの大切さ
>>【玉井式教育学II】– Vol.19– 子どもの「強み」を引き出し、伸ばすには