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特集

【玉井式教育学IV】– Vol.26 – 奈良育英小学校特集② 海外交流(スピークアウトパーソナル)

2022年1月14日

【玉井式教育学IV】– Vol.26 – 奈良育英小学校特集② 海外交流(スピークアウトパーソナル)

これからの子どもたちは、これまでよりも世界に目を向けなければいけない時代を生きることになります。今のままの教育で良いのか、変わっていかなければいけない点は何なのか。グローバル時代を生きる子どもたちの成長のために、どのような価値観が必要なのでしょうか。
何のために教育するのかという、教育の価値観をしっかり持って、「親が笑顔でいること」「子どもへ何よりも愛していると伝えること」そして、「花(成果)を咲かせることだけでなく、丈夫な根っこ(土台)を育ててあげること」を大事にする。そう言うのは、「世界に負けない子に育てる」教育を提唱し、独自の能力育成教材を開発し続けてきた玉井満代先生。

玉井先生の考える子育てと教育について、48回にわたり、さまざまな視点でお届けします。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

《教えてくれたのは》
(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ
代表取締役 玉井満代さん

京都市生まれ、ICT教材クリエイター・脚本・演出家。20年にわたる全国数百の学習塾での指導経験を生かして、学校、またインド、ベトナム、シンガポール等で続々と導入されている「玉井式 国語的算数教室®」「玉井式 図形の極®」など、パソコン・タブレットを使用して学習する教材を全国展開。2021年現在、日本全国で24,000人が学習しており、有名私立小学校・大手学習塾・幼稚園・保育園及び学童などで広く活用されている。また、インド著書には「世界に出ても負けない子に育てる」(青春出版社)他。国内外での年間講演回数は120回(2018年度)を超える。洛南高等学校附属小学校で「玉井式 図形の極®」が授業カリキュラムとして取り組まれている。また、2021年度より、奈良育英小学校(現 奈良育英グローバル小学校)の副校長に就任。

>> TAMAISHIKIオフィシャルサイト
>> 奈良育英グローバル小学校

 

– 編集部 −
奈良育英小学校特集の2回目は「海外交流(スピークアウトパーソナル)」。
日本人の先生による集団授業の中で、児童たちが会話に使う英単語やフレーズを習得した後、フィリピンの先生と1対1で個別英会話レッスンをする取り組みです。
学んだフレーズをすぐにスピーキングに生かすこの取り組みでの子どもたちの様子や得られる効果、また今後の展望について教えていただきました。

海外交流
<スピークアウトパーソナル(SOP)>の特長

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

「スピークアウトパーソナル(SOP)」は、先日の記事の「スピークアウトジュニア(SOJ)」同様に、2021年度から新しく開始した海外交流活動です。小学2年生から小学6年生までの児童が対象となり、双方向オンラインシステムZoomを使用し、1回の授業の中で『日本人の先生による集団授業』と『フィリピンの先生とのオンライン個別英会話レッスン』を組み合わせて行っています。

授業の前半は、『日本人の先生による集団授業』で、その日に習う単元の単語やフレーズを学びます。テキストベースの文や単語だけではわかりづらくイメージしづらいものも、先生がパワーポイントやイラスト、アニメーションなどを駆使して、子どもたちがわかりやすく楽しく理解できるように授業を進めています。この集団授業を行った後に、『フィリピンの先生とのオンライン個別英会話レッスン』を行います。この個別英会話レッスンで、アウトプットできるようにしています。個別レッスンもZoomのブレークアウトルーム機能を使い、各生徒に1人のフィリピン人の先生がついて行う完全個別レッスンです。その中では、その日に習った単語やフレーズはもちろん、以前の授業で習った内容もスパイラル的に会話の中に出てきますので、しっかりと定着させることができます。その後、もう一度日本人の先生の集団授業に移り、個別レッスンの時の様子や振り返りを行い、習得した知識や経験を確かな自分の力とします。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

実際の授業での児童の様子

このスピークアウトパーソナルの授業は、普段の英語のライブ授業と異なり、全てZoomを通して行われる形式であったため、開始当初は、子どもたちは発語することにためらいがあったり、声が小さかったりというようなことがありました。それまでの集団授業の中でALT(英語を母国語とする外国語指導助手)の先生と話したり、奈良公園に観光に来た海外からの旅行者の方々にインタビューしていく東大寺プロジェクトで、チームとして話す経験はしていても、やはり初めて顔を合わせるフィリピンの先生と、しかも1対1の状況で会話するといことは初めての体験であり、戸惑いもあったように思います。

個別レッスンでは、より経験を重ねてもらえるようにするため、担当のフィリピンの先生は毎回異なる先生にしています。そのため、必ず挨拶と自己紹介から始まります。挨拶や自己紹介は慣れているはずも、英語での挨拶がすぐに出てこなかったり、「My name is ~」というように自己紹介をしても、きちんと自分の名前を聞き取ってもらえなかったりと、悪戦苦闘するといったことも多々ありました。
子どもたちはそんな中で伝えることの難しさを知り、どんな風に見せたり言ったりすれば伝わるのかを考え、試行錯誤することによって、少しずつ成長を続けています。例えば、名前のカードを作り、生徒自身の名前のアルファベットを先生に見せながら自己紹介することで、正確に伝えることができるようになりました。また、授業の中で、先生から問われたことに対して受け答えしていく一方で、わからない時ももちろんあります。そんな時に黙り込むのではなく、素直にわからないと伝えることで、フィリピンの先生も言い直してくれたり、質問の仕方を変えて工夫してくれたりするので、その結果、コミュニケーションが円滑に進むことを実体験を通して学んでくれたりもしています。

こうしたチャレンジの繰り返しによって、自分の言ったことがしっかりと伝わって、コミュニケーションを取れた時の喜びを実感し、「次はもっと話せるようになりたい」「もっとテンポよく質問できるようになりたい」という気持ちが芽生え、恥ずかしがらずに自信を持って話すことができるようになってきました。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

SOPに取り組むことで
感じる効果や今後の展望

どう表現したら相手に伝わるのか、そのためにどんなことを準備したらいいかを自らで考えることが増えてきました。自らで考え、レッスンで実践を重ねる毎にどんどん成長し、話せるようになってきています。失敗を恐れず、フィリピンの先生に英語で伝えるという実践。テキストベースの勉強だけではできない貴重な経験であり、「自分の英語が通じたという喜び」や「勇気を持ってチャレンジしたことで得た喜び」をたくさん感じることは、これからの子どもたちの支えになることと考えています。

これらの経験は、スピークアウトパーソナルの授業だけに限らず、日々のコミュニケーションや様々なチャレンジにも大きな効果を発揮するものです。
また、コロナウイルスの影響により、最近では初めて相手と会話するのがオンライン上であることが珍しくなくなってきました。この変化は今後も継続されるものと思われます。このスピークアウトパーソナルは、正にオンライン上で初めて会う先生と会話する授業です。この授業を通して、どんな状況でも、物怖じせず、自分の伝えたいことをしっかり表現できるような「メンタルパワー」を養っていきます。世界に出ても負けないこどもになれるように。

 

次回の「Vol.27」は1月21日(金)にお届けします。お楽しみに!

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