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特集

【玉井式教育学IV】– Vol.29 – 奈良育英小学校特集⑤ 玉井式国語的算数教室®

2022年2月4日

【玉井式教育学IV】– Vol.29 – 奈良育英小学校特集⑤ 玉井式国語的算数教室

これからの子どもたちは、これまでよりも世界に目を向けなければいけない時代を生きることになります。今のままの教育で良いのか、変わっていかなければいけない点は何なのか。グローバル時代を生きる子どもたちの成長のために、どのような価値観が必要なのでしょうか。
何のために教育するのかという、教育の価値観をしっかり持って、「親が笑顔でいること」「子どもへ何よりも愛していると伝えること」そして、「花(成果)を咲かせることだけでなく、丈夫な根っこ(土台)を育ててあげること」を大事にする。そう言うのは、「世界に負けない子に育てる」教育を提唱し、独自の能力育成教材を開発し続けてきた玉井満代先生。

玉井先生の考える子育てと教育について、48回にわたり、さまざまな視点でお届けします。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

《教えてくれたのは》
(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ
代表取締役 玉井満代さん

京都市生まれ、ICT教材クリエイター・脚本・演出家。20年にわたる全国数百の学習塾での指導経験を生かして、学校、またインド、ベトナム、シンガポール等で続々と導入されている「玉井式 国語的算数教室®」「玉井式 図形の極®」など、パソコン・タブレットを使用して学習する教材を全国展開。2021年現在、日本全国で24,000人が学習しており、有名私立小学校・大手学習塾・幼稚園・保育園及び学童などで広く活用されている。また、インド著書には「世界に出ても負けない子に育てる」(青春出版社)他。国内外での年間講演回数は120回(2018年度)を超える。洛南高等学校附属小学校で「玉井式 図形の極®」が授業カリキュラムとして取り組まれている。また、2021年度より、奈良育英小学校(現 奈良育英グローバル小学校)の副校長に就任。

>> TAMAISHIKIオフィシャルサイト
>> 奈良育英グローバル小学校

 

– 編集部 −
奈良育英小学校特集の5回目は、国語力を土台とする「玉井式国語的算数教室®」。
ただ公式を覚えて解くのではなく、文章題からどういう状況になっているのかなど、情報を正確に捉え、頭の中でイメージしながら考える力を育む教材です。
物語やアニメーション映像を通して出題されるので、子どもたちは具体的に想像し、楽しみながら算数に取り組むことができます。
この教材を使って学習する子どもたちの様子や得られる効果、また今後の展望について教えていただきました。

<玉井式国語的算数教室®>の特長

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

最大の特徴は、「『長文』を頭でイメージして考え、読解する力」「『図形』を頭でイメージして考える力」を効果的に高めることができる教材・システムになっていることです。
基本的には算数なのですが、玉井式国語的算数教室®で身につく「集中して話を聞く」「文章を読んで情景を思い浮かべる」「文章の情報を正確に把握する」「問われたことに正確に答える」などの力は、国語の土台となります。だから、「国語的算数」という名称になっています。ただ、漢字・語彙・言葉のきまりなどは、玉井式国語的算数教室®では扱いません。これらの知識事項は後で取り組んでも十分に間に合います。大切なのは、前述の国語の土台の力なのです。また、メインの算数としては、ただ公式を暗記して解くのではなく、公式を見つけ出す力を育み、長文読解算数や図形学習によって、「イメージング力」を高めることを目指す内容になっています。

1回の授業は、「きほんのおはなし」「ものがたり算数」「かたちの形」の3種類で構成されます。「きほんのおはなし」は、新しい単元の導入で、アニメーションで見て状況や概念をしっかり理解し、テキストで基本をマスターします。次の「ものがたり算数」は、「きほんのおはなし」の応用問題を学習します。友情と家族愛にあふれているキャドック王国という世界観の中で繰り広げられる物語を通して、わくわくする世界でイメージング力を育みながら算数の考え方、解答の導き方を学びます。主に文章題を取り扱い、映像だけではなく長文読解の上で文章題を解く形式の問題も多く出てきます。最後は「かたちの形」です。画面の中で立体的に変化するアニメーション映像を通して、図形の展開や立体の切断などをスムーズにイメージすることができます。

計算問題は得意だけれど、長文問題は苦手、じっくりと多面的に考えないと解けない図形は苦手、というお子さまもいらっしゃると思います。共通して言えることは、「イメージング力」の不足の可能性があるということです。この玉井式国語的算数教室®は、アニメーションによってストーリー性のある教材で子どもたちの興味をわかせたり、動画によって図形をわかりやすく説明したりすることで、子どもたちは楽しみながら取り組むことができ、そしてイメージを構築していく力や思考力の向上につなげることができるものです。

 

実際の授業での児童の様子

奈良育英小学校では、小学1年生から小学3年生まで、週1回2コマ90分の授業で行っています。1コマ目は、大型テレビや電子黒板に映し出したストーリー映像を視聴した後、テキストの問題を解いていく一斉授業です。2コマ目はテキストで学習した内容を定着させるために、「できたかな?プリント」という類題問題集を使って、個別学習で取り組んでもらいます。
1コマ目の一斉授業では、映像やテキストによる一連のストーリーを追いながら、その中から問題に必要な情報を抜き取り解いていきます。映像にはかわいいキャラクターが登場し、お話はずっと続いていくので、子どもたちはストーリーの中に引き込まれ楽しんでいる様子が見られます。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

その後のテキスト問題では、長文を読み、問題を解くのに必要なキーワードを見つけて自分で印を入れながら問題を解いていきます。初めは長文を読み込むことができず、キーワードを見つけることができなかった子どもも、回数を重ねるごとに自分の力で見つけることができるようになっていきます。また、解答欄には答えを書くだけではなく、答えをどのように導き出したかの方法を書く欄があり、ここは、式だけでなく式以外の絵や図・文章でも良いので、子どもたちは自分で答えを導き出した方法を自由に表すことができます。ただ単に公式だけを覚えていればよいのではないので、子どもたちは自分の考え方を書き表すことで自分の考え(解き方)を振り返り、学習を深めることになります。そしてこれが自信となり、「できた!次の問題も解こう!」と次への意欲へと繋がっていきます。
各回の最後は、「かたちの形」の図形問題です。これは、図形問題を解くために必要な図形を頭の中でイメージ化する「イメージング力」を育てるものですが、これも子どもたちが意欲的に取り組みやすいアニメーション映像があるので、子どもたちは積極的に問題を解いています。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

2コマ目は、「できたかな?プリント」を使っての個別学習です。1コマ目に学習した内容を定着し深めるため、児童が自分のペースで演習に取り組みます。問題を解き終わるとすぐに採点してもらい、間違いがなければ次の問題へと進んでいけます。指導者2名で授業を行っているので、わからない問題があった場合もすぐに個別に指導ができる体制です。子どもたちは「自分の力で問題が解けた!」と喜ぶ様子があり、この自信がさらなる勉強意欲や自己肯定感に繋がっていると感じます。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

 

「玉井式国語的算数教室®」に取り組むことで感じる効果や今後の展望

子どもたちは、キャドック王国で繰り広げられる物語映像が大好きで、毎回この時間を楽しみにしています。このストーリーは連載物のように繋がっていくのですが、毎回のお話の内容もよく覚えていて、楽しみながら意欲的に学習に取り組むことができるのは、最大 の効果だと感じています。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

そして、子どもたちは自分で積極的に考えようと取り組んでいます。すぐに答えが導き出せなくても、自分の知っている知識を駆使して一生懸命に考えます。答えは一つでも、考え方(答えを導き出すプロセス)はいろいろあるので、自分の考えを大切にし、表現していきます。また、それを発表し合うことで他の児童に伝えたり、逆に他の児童の異なる解き方も知ったりすることができています。そのことが考える力をより伸ばすことに繋がっていると思います。このような機会を設け、考えを共有することでいろいろな考え方があることを知ることも良さの一つだと感じています。
また、長文問題への抵抗がなくなり、文章を読み解くために必要な情報を自分の力で見出すことができるようになってきていて、読解力・思考力・イメージング力が身についてきている様子が頼もしいです。
教科書よりも難易度が高い問題にチャレンジしているので、教科書の問題が簡単に感じられ、すらすらと解くことができているようです。難しい問題が解けた時は喜びを感じ、さらなる自信となり次の問題を解こうという意欲にも繋がっていきます。実際、子どもたち は算数の力がついており、毎年奈良県の小学生が一斉に受ける県のテストでも、結果が向上していることを実感しています。

これらの学びを通して、読解力やイメージング力、そして自分で考え判断する思考力を養っていきます。

 

次回の「Vol.30」は2月11日(金)にお届けします。お楽しみに!

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