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特集

【玉井式教育学V】– Vol.33 – 「イメージング力」とは?

2022年3月4日

【玉井式教育学V】– Vol.33 – 「イメージング力」とは?

これからの子どもたちは、これまでよりも世界に目を向けなければいけない時代を生きることになります。今のままの教育で良いのか、変わっていかなければいけない点は何なのか。グローバル時代を生きる子どもたちの成長のために、どのような価値観が必要なのでしょうか。
何のために教育するのかという、教育の価値観をしっかり持って、「親が笑顔でいること」「子どもへ何よりも愛していると伝えること」そして、「花(成果)を咲かせることだけでなく、丈夫な根っこ(土台)を育ててあげること」を大事にする。そう言うのは、「世界に負けない子に育てる」教育を提唱し、独自の能力育成教材を開発し続けてきた玉井満代先生。

玉井先生の考える子育てと教育について、48回にわたり、さまざまな視点でお届けします。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

《教えてくれたのは》
(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ
代表取締役 玉井満代さん

京都市生まれ、ICT教材クリエイター・脚本・演出家。20年にわたる全国数百の学習塾での指導経験を生かして、学校、またインド、ベトナム、シンガポール等で続々と導入されている「玉井式 国語的算数教室®」「玉井式 図形の極®」など、パソコン・タブレットを使用して学習する教材を全国展開。2021年現在、日本全国で24,000人が学習しており、有名私立小学校・大手学習塾・幼稚園・保育園及び学童などで広く活用されている。また、インド著書には「世界に出ても負けない子に育てる」(青春出版社)他。国内外での年間講演回数は120回(2018年度)を超える。洛南高等学校附属小学校で「玉井式 図形の極®」が授業カリキュラムとして取り組まれている。また、2021年度より、奈良育英小学校の副校長に就任。

>> TAMAISHIKIオフィシャルサイト
>> 奈良育英小学校

 

– 編集部 −
第33回目のテーマは、「イメージング力」。
数式の答え、仕事の目的、相手の気持ち、何かを創造すること。それら全ては、「想像する」ことにつながっています。
では、想像力は成長の中でどのように育まれていくのでしょうか。玉井先生が考える「イメージング力」について、お話しいただきました。

「イメージング力」は
妄想を膨らますことから

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

想像力を育むためにも、私は「妄想から入っていい」といつも言っているんです。妄想することがイマジネーションを生み、その想像力があってこそクリエイティビティの「創造力」につながります。何かをクリエイトするためにはイメージすることが必要ですし、イメージする前に妄想することも大切だと思っています。

普段から、子どもたちが自分の考えを話す時間が必要だと思います。大人が子どもに対して、「5+5=10」と必ず答えがあることだけを求めるのではなくて、色んなことを考えていけるような環境が良いと思います。
読解力のテストで、「作者は次のうちどう思って書いているでしょう?」といった問いがあって、「下の5つのうちから選びなさい」という問題など、読解力のテストといっても答えが決まっていますよね。でも子どもたちは、もっと違うことを想像していたりします。文章から読み取ることは子どもによってさまざまです。それが合っていても間違っていても、素敵な発想がいっぱいあるんです。その素敵な発想力を摘まないで欲しいと思います。

例えば、サンタクロースがいるかいないかといった話題も子どもたちの想像力の源です。「もしかしたら本当にいるんじゃないか」と思い続けている子はすごく素敵ですし、大人がそう思わせる力も大事だと思います。サンタクロースはどこに住んでいるのか、どうやって家の中に入ってきたのかなど、そんなところは大人が嘘ついても全然良いと思うんです。

以前ある小さい子が、「サンタクロースが来たらトナカイをどこに止めておくのかな?」と言うので、「あそこの駐車場にいるの、この前見たよ」と私が言うと、「そうなんだ。僕、車が多いから心配してた」と。優しい子だなと思いますよね。後で「あれは全部嘘だったんだな」と思ったとしても、そうやって過ごす子ども時代は素敵な時間ですし、そういうことをいっぱい妄想で膨らましていくことが、いろんなことを想像する脳の力になっていくはずです。いきなり「想像しなさい」と言われても、決まったことしか考えてきていないと答えは限られてくるのではないでしょうか。ですので、小さい頃からいろんなことを想像させられるよう過ごして欲しいと思います。

ホウキ1本、葉っぱ1枚でも
想像力を膨らます子どもたち

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

前のコラムで、奈良育英小学校の授業で佐保川からヤゴを取ってきた話をしましたが、その時も子どもたちは「これはサソリじゃないか」とか言っていたわけです。大人が「それはサソリじゃないよ。ヤゴだよ」と説明するより、みんなで「これは何なんだ?」「何で水の中にいるの?」「他にも水の中にいて飛んでいく生き物はいるのかな?」「セミの幼虫もそうだった?」「セミは土の中にいたんじゃなかった?」というふうに、考えを膨らませていけるのが「イメージング力」だと思います。そこに正解はありません。しかし、ただの知識伝授の教え方だと、「セミの幼虫は土の中に◯年間います。その後、土の中でこんな風になって蛹になります。出てきたらミンミン鳴きます」とういうふうになってしまいます。そういった正しい知識を教えるだけでなく、たくさん妄想して想像する時間というのが、子どもたちにはとても大事なのではないかと思います。
高校では「探求授業」という「探求」という言葉が使われる授業があるのですが、もっと子どもの時期から探求することでより想像力が膨らむと思います。

想像力を膨らませるために、教具的なものや何かメソッドなど考えなくて良いと思います。子どもたちはみんなクリエイターですので、ホウキ1本あったら想像ができるんです。「これは魔法使いが床に落としたんじゃないか」とか。そういう時間と場所が必要なだけで、下手に「想像力を育むための○○〜」としない方がいいと思います。それはもうすでに答えがあるものになっていますから。

例えば、「パズルをさせたら良い」とあったとき、もちろんパズルをすることが悪いことではないのですが、別にパズルでなくても、自然の中にもいっぱい考えることはあります。いろんな自然を見て「ああなのかな、こうなのかな」と考える。葉っぱ1枚でも良いのです。子どもたちは葉っぱに穴が空いているだけで、「何でこうなっているんだろう?誰か食べたのかな?」など、いろんなことを言い出します。それを潰さないで欲しいんです。「何でだと思う?」と、答えを出さずに膨らませてあげることが大事です。

今はなかなか外で遊べませんが、一昔前は自由に遊べる場所や時間がありましたよね。その時はオモチャなど無くても、何かを作ったり、何かに見立てたりして遊んでいました。綺麗なおままごとセットが無くても、葉っぱの上に拾ったどんぐりを置いておままごとをしていたものです。それは完全な想像力ですよね。大人が形に見えるように整えすぎて、今では電子レンジのオモチャも揃っています。子どものイマジネーションを考えず、そういう出来上がったものを与えすぎてしまっているのではないかと思います。

 

正しいか間違っているか
だけにこだわらない

どんな仕事でもクリエイティビティが必要だと思います。「これを実現するために、次は何をするべきかな」と想像できる人と、「ただこれをする」ということだけに注力してしまう人がいると思います。例えば、自分に部下ができたとき、「この人にどう伝えたらわかってもらえるかな」と思える人と、「こう言わなきゃいけない」と自分の発信のことだけを考えて、相手の器や相手の立場、相手が持っているスキルまで想像できない人。注意する場合でも「この人にはこういう注意の仕方がいい」と想像できる人と、誰に対しても同じ言い方で注意する人。この違いは想像力だと思います。正しいか間違っているかを伝えるだけではなく、相手は「どのタイミングで、どのように言えば受け取ってもらえるか」と想像できることが重要です。その想像力に欠けると、コミュニケーションエラーが出てくると思います。
お客様にメールを出すときでも、紋切り型のフォーマットでしか出せないではなく、「どのように書いたらお客様が気持ちよく受け取れるか」といったことも全て想像力だと思うんです。

想像力に欠けるとしたら、それは教育のせいだと思っています。正しいか間違っているかで点数は取れますから、その対策ばかりしていると、子どもたちは完全受身型になってしまいます。受け身な勉強だけではなく、「この問題が出るかもしれないからやっておこう」と自ら想像して勉強するなど、子どもたちの想像する時間を奪わないように気をつけたいものです。

将来の夢で「ポストになりたい」と言った幼稚園児もいました。「素敵な夢ね!どうしてポストになりたいの?」と聞くと、「みんなの手紙をちゃんと運んであげたいんだ」と言っていました。実際ポストは手紙を運びませんが、その子の夢を潰さないように「そうだよね。いろんな人から手紙をもらえるものね」と応えてあげるので良いと思います。そこでわざわざ「ポストは手紙を運ばないよ。郵便局員さんが来て運ぶんだよ」など言わなくて良いと思います。なぜなら、誰だって大きくなればわかることですから。 「ポストからビューンと空を飛んで一軒一軒お手紙が届いている」「ポストに手紙を入れると届く。だからこのポストが届けてくれている」そう考えるのは、とても素敵な発想です。そこで「違うよ。何を言っているの。こうだよ」などと、自分の想像したことをそんなふうに言われたら残念な気持ちになりますよね。いずれわかることは置いといてあげていいと思うんです。

(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

私は、子どもたちと一緒に夢やストーリーを考えることが大好きです。ある時に、『ざんねんないきものじてん』という本を使って子どもたちとディスカッションをした際は、「お魚が何で飛ぶの?」「飛んだら海の上から鳥に食べられて残念…」「食べられないようもっと大きくなったらいい!」「お尻に針をつけたらいいんじゃない?」など子どもたちは想像力を働かせて盛り上がりました。どんどん面白がってイメージが膨らみ、最終的には「これってもうお魚じゃないね」と気がついていく。楽しみながらいろんな姿になっていく魚を頭の中で想像していると思うんです。それがイメージング力です。それがあるかないかで、大人になったときのコミュニケーション力も変わっていくと思います。

パターンではなく「これってこうしたほうがいいのかな」といったことは仕事においても、山ほどありますが、そういった想像力を持っているかどうかが、仕事の結果にもつながってくると思います。

 

次回の「Vol.34」は3月11日(金)にお届けします。お楽しみに!

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