【子育てコラム】「ハレ とケ」って?
2023年1月1日
平群町在住の赤松邦子です。使命感のあるおせっかいの子育て支援活動を始めて25年が過ぎました。
2023年が始まりましたね。皆様はどんな年末年始を過ごされましたか?
古えの話で恐縮ですが、私たちの子ども時代はクリスマスよりお正月に重きを置かれていたように思います。もちろんクリスマスも子どもにとっては、今と同じようにプレゼントを期待したり、普段買わないホールケーキが食べられたりと確かに楽しみはありました。しかしながら、お正月はもっと特別の行事だったように思います。
クリスマスが過ぎたら大晦日まで、毎日市場へ正月用食材を買いに行き(お正月三が日は通常お店は休みます)、おせち料理を盛り付ける塗りの重箱や器を棚の上から下ろし、晦日と大晦日でおせち料理作りをしていました。併行して大掃除をし、元旦に着る着物やよそ行き着の準備もしました。そうそう、大晦日のお風呂の後は下着類も全て新品を着たものでした。そうです。これが「ハレ」の日を迎える準備でした。
さてタイトルの「ハレとケ」。みなさんはこの言葉を知っておられましたか?一言で言うと「非日常と日常」のことです。日本を代表する民俗学者の柳田圀男氏(1875年~1962年)によって唱えられた日本人の生活を表現した言葉だそうです。
平凡な毎日である「ケ」と、非日常である「ハレ」の日。「ケ」の毎日の中に時々訪れるからこそ、大きな楽しみとしてワクワクし、その日を迎えた幸せをより強く感じることができるものです。今ではケーキもお餅もいつでも食べられるし、着るものについては「常着」と「よそ行き着」との区別もあまりしないですよね。
「ハレ」の毎日だと、それもいつしか日常の「ケ」となってしまいませんか。どんどん「ハレ」を求めて、今在る「ケ」の生活自体に幸せを感じにくくなるように思います。
子どもを感情豊かに育てるために、日常の幸福感を持てるように生活や体験に「ハレとケ」を少し意識して取り入れてみる効果はありそうですね。
「ハレとケ」の概念が、今を生きる人たちにどのくらい通じるのかは判りませんが「ハレとケ」について自分はどのように捉えているのか、夫婦で、家族で話してみる機会にしてただければ幸いです。
私はといえば、「大掃除しなくても、お正月は来るんじゃないの?!」という自問が何度もよぎるのを払いのけ、指先にひび割れを作りパタパタと動き回っていました。しんどい大掃除も私には「ハレ」のイベントなんだなと、クリスマスやお正月行事を終えて感じたことをお伝えしました。
<気づいたときが 変わりどき>
【コラム執筆者】
赤松邦子
1959年生まれ 孫二人
NPO法人パパちから応援隊代表
奈良県こども子育て応援県民会議 会長
なら子育て応援団 団長
2010年 母子保健奨励賞
2019年 あしたの奈良 表彰
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