【子育てコラム】子どもから大人へ(自問自答)
2023年3月1日
子どもから大人になる事が当たり前という概念について、私は真っ直ぐ向き合いたいです。
この事が事実か虚実かはどちらでも良くて、私の頭にふと思い浮かんだこの悲しい常識を覆したい自分でありたいという思いで、キーボードを叩いてみます。
私は幼少期から20歳まで、特に後半にかけては早く大人になりたいと考えていたタイプでした。もっと明確に申しますと、高校を卒業するまでは全く大人についての憧れはありませんでした。むしろ子ども万歳でした。色んな意味で。
そして高校を卒業した時、季節柄、当時稼げる人気の短期バイト、引っ越しのアルバイトを始めました。
奇しくもそれが私の大人への第一歩でした。
これまでも、少しはアルバイトをしていたり、お年玉という物を頂いたりある程度のお金の価値は知っていたつもりでしたが、この引っ越しのアルバイトで貰える1ヵ月のお金がとても多く(30万円弱)あった訳でして、それはもう学生であった数日前の私からしてみれば、その実際の感覚は別世界でした。
そしてその引っ越しのアルバイトが何故最高だったのかと言うと、重い荷物の運搬で体力がつき、ご飯は今まで思った事がないぐらい、毎日美味しく感じる事が出来、そして夜はぐっすり眠れて、朝も早く起きれて、その当時の私は幸福度が100%を有に超えてしまっていました。
「これが大人か!こんなに充実した毎日が送れるなんて何て素敵なんだ」と、楽しくて仕方がなく、早く大人になりたいと思い、そしてなるものだと思っていました。
しかしながら、そこから現在が43歳なので23年間、私は未だに早く大人になりたいと、思っている日々を過ごしています。
あの頃は、労働にだけ全集中出来た純粋なルーティンがありました。
そしてその後の20数年間は、ルーティンの中に、沢山の「心労」がかかるようになり、一向に大人になれないのです。
あの時感じた「大人って最高」は「心労を知らない」無知な世間知らずの若者、若気の至りと言う事も出来ます。
なんにせよそれが結局は、めちゃくちゃ幸せな引っ越しのアルバイト生活だった、とてつもない幸福感あったというのは事実です。
私は過去を振り返るのが嫌いです。
何だか昔のほうが良かったと言わんばかりで、現状が満足いっていない人の戯言のように20数年間思っていて、今回初めて過去の自分を振り返ったらどうなるかと思いましたが、まさかの昔のほうが良かったと言ってしまいました。
結局私も凡人なんだと思いました。
私は自分が人より何処か優れているのではと思っていましたが、もちろんそんなことは無く、何処にでもいる「あの頃は良かったよな」という凡人でした。
自分自身と向き合う時間をどれだけ多く持てるかは、いつの世の中にも必要です。
もっと自分を知るために、今後も過去を振り返り、今の自分と比較してみようと思いました。
良い時もあり、悪い時もある事が明確に出来る自問自答こそ、至極の行いである。
【コラム執筆者】
今井 匡
1979年 香川県で産まれ、10歳まで過ごし20歳まで広島県で過ごし、そして満を持して奈良県に上陸。身についた特技は特になく、カメレオンのように過ごし、雪丸茶屋の店主となる
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